政府関係施設移転問題

2016年3月13日

昨年3月に東京の一極集中を是正するために地方創生の名のもと、政府関係機関の地方移転が議論され始めました。8月末を期限に東京圏以外の道府県が様々な政府関係機関の移転を求め、政府に対し提案を実施しました。東京一極集中を是正させる考えについて異論はありませんが、今回横須賀市内に所在する関係施設が移転になる可能性が出たことについては問題があると言わざるを得ません。

私が問題としている点は、横須賀市が「東京圏」という位置付けになっており、現在市内に所在する政府関係機関が横須賀市から移転されてしまう可能性があるからです。ご存知の通り横須賀市は平成26年に人口減少数が全国1位になり最近の人口調査でも全国2位と人口減少が止まらない都市です。このような状況の中、今回国の施策により横須賀の重要な地域資源である海洋研究開発機構(JAMSTEC)、防衛大学校、情報通信研究機構(NICT)、特別支援教育総合研究所の4施設が横須賀市からの移転の危機に直面してしまいました。もし、万が一これらの施設が移転となれば横須賀市にとっては政策面、財政面、そして雇用の面でも問題になることは目に見えています。横須賀市ではまち・ひと・しごと総合戦略を議会と共に作成し、その総合戦略の中でこれらの施設は重要施設と位置付け様々な連携のもと政策を実施していく事になっています。移転となれば戦略そのものを修正する可能性もあります。

 東京都と横須賀市を同じ土俵で議論するには無理があるのではないか。国の政策に対し総論賛成各論反対となるが、国においては再考願いたいとの思いから行政とは別にいち早く議会として政府に対して「意見書」を全会一致で提出しました。 東京一極集中の是正は進めていただきたいが、東京圏という括りで、横須賀市も東京都と一緒の土俵に乗せられ、政府関係機関の移転の対象になっていることに対して、地元議員としては反対したしました。その後、横須賀市も神奈川県と共に移転反対を国に対し働きかけ、私も個人として関連施設に出向き様々な情報収集を行うとともに、慰留を訴え続けました。

 その結果、今回移転候補となった4施設全ての組織そのものの移転が無くなりました。(一部部署の移転あり) 今回移転は無くなりましたが、いつこの問題が再燃するかはわかりません。そのことを踏まえしっかりと各施設との連携強化をし、無くてはならない関係にならなければなりません。