我が国の海洋研究を推進する市議会議員連盟設立総会

2019年8月20日

今回の視察は「我が国の海洋研究を推進する市議会議員連盟」設立総会と海洋研究に関する基調講演会に参加した。

この「市議会議員連盟設立」の経緯は、平成29年に本市と関係が深い海洋研究開発機構(JAMSTEC)の地球深部探査船「ちきゅう」が八戸市に一般公開のために寄港した際に、この「ちきゅう」の補給基地となっている静岡市の議員が八戸市を表敬訪問し交流を持ったことが始まりである。

その後、JAMSTECに関連がある自治体で、横浜、横須賀がこの交流に加わり4市が集まり、今回の議連立ち上げを協議し今日に至っている。今後の展開として、関連のある函館、神戸、名護等にも声をかけ全国規模にしていく考えである。

この議員連盟の事業目的は海洋地球科学に関する事に特化している。これに先立ち本市内で設立した「横須賀市研究開発都市促進議員連盟」は海洋に関わらず市内に所在する研究所、企業団体を支援する目的も持っている。これを踏まえれば、今回全国展開を目指している「海洋議連」の趣旨と本市の「研究議連」は同じ目的を持っていると考えられる。今後の展開としては「研究議連」の活動の下で「海洋議連」の活動を実施すれば良いと考える。

現在本市は政策的に「海洋都市構想」を展開している。海洋都市を推進する中で、海洋関連の研究所、企業団体と深い関係を持つことは、不可欠である。市単独では出来ないことも深い関係があれば様々な取り組みが期待できる。

今回視察した、八戸市ではまさに今の考えを実践している自治体である。

八戸市は「マリエント」と呼ばれる市立の水産科学館を建設し、そこを拠点として「ちきゅう」たんけんクラブを発足させている。このクラブは「海洋」や「地球科学」に対する好奇心や理解を深めるためのクラブで子供たちのキャリア教育に大いに寄与している。

この取り組みは単純に学校教育の延長というものでなく、生涯教育に繋がっていて八戸市全体に寄与している取り組みと思える。

本市として、海洋都市構想の今後の展開で目指すべきことは、海洋教育と海洋産業の推進だと考える。本市は、「海」を活用した事業を今後積極的に推進していくのは当然ではないか。

今回「我が国の海洋研究を推進する市議会議員連盟」設立総会に、担当省庁である文部科学省の局長、課長自治体として、県知事、市長そして国会議員などが参加したことをどのように考えるかだ。特に地方自治体の首長が参加し、当該研究所と積極的に関わりを持とうとする動きはなぜだろう。答えは簡単だ。かかわりを持つことによるメリット、「教育」と「産業」に寄与するからである。

海洋都市構想を1つの基本方針としている本市としては、他都市の動きに後れを取らないようにしなければならない。現在世界トップレベルの研究施設がこの横須賀にあるということを強みとして、様々な市の政策に反映させていかなければならない。