新規就航フェリーについて

2019年10月19日

2021年春を目途に本市と北九州の間にフェリー航路が新設されることが決まった。日曜日を除き1日1便、週6便で運航する計画だ。

 今回新規就航にあたり、現在同じグループ会社でフェリーを運航している小樽港を拠点としている新日本海フェリー小樽ターミナルを視察した。

 本市では2004年当時、本市と大分を結ぶフェリーが新規就航し1日1便、週6便の運航をしていた。しかし、原油価格の高騰や利用者不足などで赤字が続きわずか3年半で運航が停止する状況であった。このことは12年前の事で記憶にはまだ新しい。

 本市も新規就航に当たり予算を付け横須賀港の整備をする計画である。予算をかける以上は前回のようにわずか3年半で終わるような事業では議会としても納得がいかないであろう。

 今回の視察は現在の運送業の状況とフェリー運航の状況、そして地元との関係を直接聞くために視察を計画した。

 私自身の考えは、新規フェリー就航は大歓迎であり本市の経済も良い影響が出ると考えている。

事前に自分自身でも国内フェリーの状況を調べたが、様々な会社が先行投資をしている状況が分かった。新規航路はもちろんのこと、既存航路でも新造船を投入し旅行客、そして運送の需要に対応する計画を打ち出している。

 フェリー利用の大半は運送業である。これは、国が行っている働き方改革そして様々な業界、特に長距離トラックの運転者不足を考えて場合、各社が先行投資している理由が見えてくる。

 従来のように首都圏と九州をトラックで輸送するには人手が足りず、国内の流通網に影響が出る。裏を返せばそこにビジネスチャンスがあるということだ。私は今回の本市と北九州の新規航路の開設理由はそれだと確信している。

 小樽港では小樽と舞鶴港を結ぶフェリーに乗船(岸壁)させていただき船内見学をさせて頂いた。私のイメージとは大きく違い船内、船室は非常にきれいで船室は昔の「雑魚寝」ではなく、個室がメインであった。トラック輸送がメインとは言いつつも観光客の利用も伸びており、長時間の船旅も飽きることがないような工夫がされていた。また、メインであるトラックの出し入れの様子も見学させていただいた。これらに状況を見て、今回、本市と北九州の新規航路は本市の経済活動の1つの大きな流れができるのではないかと感じた。半島ということで物流センターなどを開設するには不向きであったが、見方を変えれば小規模ながら物流センターができるのと同じではないか。また、新規企業の誘致と同じにも考えられる。民間もこのことを踏まえ港近くに新規ホテルの開業も決まっている。

 就航は2年半後だが、新規企業の誘致と考えそれらにつながる経済の活性化を踏まえ取り組んでいかなければならない。運行上必要になる、船舶燃料、食材、清掃など新たな雇用にもつながるのではないか。本市としては着岸港を横須賀港としており、ちょうどポートマーケットの利用が考えられる。

 今回の就航はフェリーを会社と本市だけでなく、商工会議所などと連携させ全市でこの機会を活かさなければならない。