ふるさと納税

2014年9月2日

現在全国的に広がりを見せている「ふるさと納税」。25年度全国実績では、約10万6千人の方々が約130億円の寄付を行っています。(総務省調べ)

 「ふるさと納税」とは、新たに税を納めるのではなく、ご自分の「ふるさと」に貢献したいという方の思いを活かすための寄付金の事で、寄付することにより所得税・住民税において控除が受けられる制度です。

 「ふるさと納税」のネーミングに現れるように、10万6千人の内東京都の方が2割、神奈川県の方が1割利用しています。この「ふるさと」には定義なく、自分の出身地以外でも応援したい地方自治体に寄付をすることが出来ます。

 25年度本市の状況は150万円(2件)の寄付を受けていますが、逆に市民の方が他都市に寄付を行い、控除した金額は450万円でした。このような中、本市としても寄付を受けやすい仕組みの構築を行っています。

 現在この「ふるさと納税」を行っている他都市の殆どが寄付者に対し地元特産品を送付し、寄付を受けやすい仕組みを構築しています。一例を挙げれば北海道上士幌町では和牛の特産品を送付していましたが、あまりにも寄付者が多く特産品の供給が間に合わない状況になっています。この一例をみると寄付金を多く集めるにもアイデア次第であると思う。本市においては特産品の送付は行っておらず、他都市と比べれば見劣りすることは明らかです。 

今後議論していく中で気を付けなければならないのは、寄付金額と特産品との金額の関係です。寄付金以上の特産品を送付することは本末転倒であり、この兼ね合いはしっかりと議論していかなければなりません。また、懸念されるのは「寄付=物」という事が根付くことです。今でも様々な慈善団体などに寄付・義捐金を行っている方々はたくさんいらっしゃいます。当然のことながらその方々は無償の寄付ですが、寄付すると特産品などのものがもらえるというような風潮にはならないようにしたいものです。そして、「控除」の制度もしっかりとバランスよく実施しなくてはならないのではないでしょうか。