横手市 横手やきそば暖簾会

2012年9月1日

B-1グランプリと言えば多くの方が知っている事だろう。正式名称「B級ご当地グルメ祭典!B-1グランプリ」。

 今回、このB-1グルメ第4回大会でゴールドグランプリを受賞し全国的に有名になった「横手やきそば暖簾会」を視察した。

 2006年八戸で第1回を開催してから今年で7年目を迎え、第7回大会は10月に北九州市で開催される。第1回大会は参加団体10団体で来場者は2日間で約1万7千人程度であった。それが回を重ねるごとにその認知度は上がり昨年姫路で開催された第6回大会は、参加団体63団体、来場者約51万5千人に上り、第1回から比べると僅か6年で来場者は30倍になっており、全国で行われるさまざまなイベントの中でも上位に位置している。そもそも、このB-1グルメのイベントの目的はご当地料理自体をPRしているのではなく、料理を通じて地域をPRしているそうだ。どちらを主としてPRしているかの判断は難しいが、料理にその地域の名前を付けている「横手やきそば」「富士宮やきそば」「八戸せんべい汁」等は地域と料理の2つをPRしているものであろう。

 さて、今回の「横手やきそば暖簾会」は平成20年に協同組合化しており、正会員50店舗、賛助会員92店舗で構成されている。ただ単に組合を作っているのではなく組合として「マナーアップ」に取組んでいる。「横手やきそば」が有名になると、便乗商法のような店が出てきて、お客への対応、味、等でクレームが多くなったそうだ。このままでは、問題が大きくなり「横手」にとっても問題となるとして今では、厳しく取り組んでいる。

「横手やきそば」ブランドを高める為、「横手やきそば」は商標登録がされ、偽横手やきそば販売防止策としてのぼりも店名入り投資番号つきにしている。

また、横手やきそば道場を開設し合格した業者を賛助会員に認定し味の向上を狙い、そして味のレベルアップの方策として味を競い合う四天王決定戦を実施している。これらは、各店舗のサービス向上と味のレベルアップに繋がっている。

市民としてもこの「横手やきそば」を応援しようと市民の応援組織も設立されプロモーションビデオも作製されている。

地域グルメとして地元食材を使用するため市内の農業生産法人に麺に使用する小麦の委託生産を始め、全ての食材を地元産での思いが有る

これらのB-1グルメに参加している団体の中で行政が全面的にバックアップしているのは横手ぐらいである。我々の考えでは、行政に頼らず自律してやるべきと思う。そのほうが、行政の都合に振り回されることもないからだ。この点については考えの違いなので議論することではない。

そもそも、横手やきそばでのまちおこしは、市の職員の発案である。今では経済効果は年間40億。暖簾会はコンビニの弁当や、スナック菓子のロイヤルティーをまちおこしの原資として利用。以前は市から補助金を年間30万円もらっていたが、今では年間100万円を寄付しているそうだ。この「横手やきそば」はまさに成功例の一つといえる。

 本市のグルメと言えば、よこすか海軍カレーが有名であり、次にネイビーバーガー、そしてチェリーチーズケーキである。

 食を通じた地域活性化はB-1グルメの例でもわかるように、集客力は抜群である。本市独自のB-1グルメとも言うべきカレーフェスティバルには全国各地から来訪してくれ、今年は天候の不順もあったが2日間で約6万人弱の方が来て、海軍カレーの知名度は上がっていると思う。

海軍カレーいついては商工会議所が市主体となりカレー部会が発足されており

全国的ではないものの、コンビニでは海軍カレーパンや、海軍カレーポテトチップス等が販売されブランド化は小規模ではあるが確立されている。

 今後の展開としては、スト―リが重要である。単発的な発想では飽きられ多くの集客を望めない。食にしてもその地域、歴史、文化との関わり等のストーリー性を持たせてアピールしなければならない。交流人口を増やす中ではこの、ストーリーをしっかりと創り上げなければ他都市との交流人口増の競争は勝てない。