「エコサイクル・地下駐輪場」視察

2010年8月1日

社会的問題にもなっている、駅前迷惑駐輪問題。迷惑駐輪の多くが駅前とあって駐輪場のスペース確保は容易ではなく、どこの自治体も対応に苦慮している状況である。そんな中、今般「迷惑駐輪を解消し、人に優しく環境に配慮した街づくり」をコンセプトにしている(株)技研製作所が施工・設置している駐輪場(エコサイクル)を視察した。

この駐輪場(エコサイクル)の特徴は地下駐輪場である事と、環境に配慮した設計である事だ。

現在自転車のニーズは気軽に利用でき、健康志向の高まりそしてエコロジーな乗り物として需要が増えている。しかし、この需要増にインフラ整備が追い付かず、市街地のいたるところで迷惑駐輪が社会問題になっているのが現状である。迷惑駐輪は歩行者の通行を阻害し、車椅子等を利用する障害者やお年寄り、そして子どもにとって大変危険な状況を生み出している事も多々ある。また、迷惑駐輪により景観・都市イメージを悪化させているのも事実である。

自治体もこのような迷惑駐輪を解消しようと努力している事は承知しているが、解消策の多くが張り紙等の注意喚起、駐輪場への誘導等であるが、収容スペースを超えている地域では抜本的対策は打てない。スペース確保の為に用地買収をと考えつつも、駅前等は地価も高く財政上の問題からも確保は難しい事は当然であり、なお且つ用地自体がないのが現状である。そういう多くの問題の解決になりつつあるのが、今回視察した「エコサイクル・地下駐輪場」である。

直径約8.5mの円筒形の地下空間に204台の自転車を収納可能で、用地確保の問題解決には適している。また、景観についても周辺の景観に合わせたデザイン(色調)が可能な為、景観問題にも適している。入出庫は全自動で平均出庫時間は約11.5秒で時間待ちのイライラ感は感じられない。実演を見た限りでは問題点は感じられない。この企業の担当者からは「環境配慮設計」についても説明を受けた。その説明の中で重要な点は、社会ニーズの変化により求められる機能も変化する。その機能が不要になった時、容易に撤去できる点である。この企業は不要になった施設のその後の、解体・撤去までも考え施工しているのは関心である。

この地下駐輪場を実際に設置している自治体・商店街も品川駅前、千葉駅前をはじめ香川県の丸亀町商店街等に設置され実績をあげている。

本市としても駅前に駐輪場が整備されていない3駅についても早急に整備し、用地問題についてはこのような地下駐輪場の設置も視野に入れ迷惑駐輪対策に取組むべきだ。  
*写真は品川駅前港南口駐輪場