萩しーまーと(道の駅)
現在本市の新港地区にぎわいゾーンに建設予定の「道の駅」に関連して萩市の「萩しーまーと」を視察した。「しーまーと」は2001年4月に「地産地消の実践」をコンセプトに開業した。萩市の人口は5万5千人だがこの道の駅の年間来場者数は約149万人で売上は9億7千万円にものぼる。全国に940駅ある中で失敗した駅は多くある中で成功している1駅である。この駅の運営責任者である「中澤さかな」駅長は以前は民間会社に勤めていたが2000年萩市が行った公募に応募し採用になり現在に至っている。中澤氏が最初に取り組んだのが施設設備の整備計画や運用計画の見直しを行ったそうだ。計画書は全国各地にある「お魚センター」をイメージし観光客をターゲットとし収支計画、客単価、坪効率等は人口5万人の地方都市の実情とはかけ離れていたそうだ。観光市場共通の悩みは土日や観光シーズンは賑わうがオフシーズンや平日になると客足は少なく厳しいという事だ。こういった事を解決する為に地元志向の店を作ろうと考え作り上げたのが「しーまーと」である。地産地消の合理性5項目「①鮮度が良い ②素性がわかるので安心 ③中間マージンが少ない ④輸送費・保管費等が少ない ⑤季節の移ろいを食で実感できる」もとに、周辺に立地する地元大手スーパー3店舗と競争に負けていないそうだ。又、中澤氏の取組みで参考になるのが萩漁港で水揚げされる年間約250種の多種多様な魚が水揚げされるという特徴を活かし雑漁として扱われてきた魚にもスポットを当て「ブランド化」する取組みを始めたそうだ。「萩の真フグ」「萩のあまだい」「萩の金太郎」とブランド化し首都圏の高級料理店や百貨店に売り込み実績を上げ、萩の新しい特産品として注目を集め魚価が1.5倍に跳ね上がった。これは魚価の低迷に悩む漁業関係者も喜ばしい限りであろう。
本市もとしてもこのような実例から、観光市場的な物ではなく地元を意識した市場作りも視野に入れるべきだ。又、ただの市場でなく地域を活性化させる拠点施設を目指す事も当然である。魚のさばき方教室や魚の豆知識教室など人を引き寄せるイベントも考えるべきだ。ただ売り場を作るだけでなく、収支をしっかりと考えて行かなければならない。
*写真の右が駅長の中澤氏