安城市・アグリライフ構想

2009年10月2日

安城アグリライフ構想は、市民一人ひとりが「農」のある暮らしを実践することにより優良農地の保全と農業の持続的発展を目指している。安城市においてかけがいのない農地や豊かな田園景観あるいは農業を支える水利である明治用水などの自然環境を大切に守りこの貴重な資源を将来の世代へと引き継いでいく必要があると考え、市民が「農」のある暮らし(アグリライフ)の実践を通して「農」に満ちた環境資源の保全・継承に努めるとともに、「農」を核とした地域コミュニティの創造に参画することにより成り立っている。現在安城市の総農家数は2,681戸でその内専業農家は282戸とその割合は1割程度であり、専業農家と第2種兼業農家の2極分化が顕著だ。全国的問題でもあるが農家戸数、農業就業人口は年々減少傾向にあり、農地面積も都市開発需要により農地転用の増加によりその減少も顕著だ。そういった問題意識から市民に食料と農業の役割について理解を深めさせ食料の生産基盤であると同時に市民共有の貴重な資源でもある優良農地の保全を図る必要があると考えている。農地の面積集積等によって担い手の経営基盤を強化しながら都市部の市民が家庭菜園で農作物を自給自足できるような暮らしを普及する事により農業や農地に対して愛着を感じ、こうした市民が増える事が農地の保全と有効活用につながるとしている。
 「アグリライフ」とは「農」のあるくらしの事だ。
「農」を知り「食」を学ぶ。「農」を楽しむひとづくり。「農」を介した交流促進が安城アグリライフ構想の根幹である。
実際安城市が支援しているアグリライフ支援センターを視察した。
市民が自分たちで野菜作りを行っている。この市民は市が年2回公募で選ばれた市民で、30人を1グループとして1人1区画(約30㎡)を管理し収穫を目指す。当然公募してくる市民は農業未経験である。この目的は農業未経験の市民が市民農園などで安全・安心・安価な野菜を安定的に生産できる基礎的な知識と技術を身に付け農業を楽しみ豊かな生活を実現させ地産地消を推進できる人災育成を目指している。本市にもある市民農園との違いは市として「人事育成」をしているところだ。安城市ではこの支援センターで人材育成をしてその後は各自が独自に農協などから農地を借り「農」を行うというプロセスである。確かに農業未経験者が最初から独自に「農」を行う事は持続性を考えると難しい。そういった中で人材育成は、持続的に「農」を行う市民が増えると期待が出来る方策だと思う。又、このアグリライフにかかる費用は年間約2,000万円だという。農地があるからという利点はあるものの費用対効果は良いと思う。
 食糧自給率が騒がれている昨今、本市いおいても「アグリライフ」の考えは必要であると思う。