地域交流まちつくりセンター

2011年10月2日

函館市は人口20万人弱で「国際水産・海洋都市」そして「国際観光都市」を目指している都市である。

今回視察した地域交流まちづくりセンターのセンター長の言葉に驚くとともに納得をした。センター長が発した言葉は「市民のセンターの利用頻度が下がる事が良い事だ」である。一般的な感覚だと利用者が増える事が良い事だと思うが、指定管理者制度で選ばれて管理している民間人のセンター長は発想が違う。市民の方がこのような施設を頼らなくても、自立し活動できる事を目指しているからだ。まず、このセンター自体は、市民活動の支援、地域情報の発信、人々の交流の場づくりと3つの機能を持った施設であり、細かい事業内容は

「地域交流まちづくりセンターの事業」

1)市民活動に関する情報の収集および提供、助言、講座の開催ならびに活動の場の提供その他市民活動の支援に関すること。

2)市民への交流の場の提供および交流等に係る講座の開催等に関すること。

3)地域の情報の発信に関すること。

 ・ホームページの開設および1階の各コーナーにおける情報提供等

 ・情報誌の編集および発行

 ・地域の魅力発見のための講座開催

4)その他センターの設置の目的を達成するために必要な事業

である。

この施設は、以前は直営で管理運営を行っていたが昨年から指定管理者制度に移行している。それまで利用者は月平均10,000人を超える事は無かったが今では入館者数は平均約10,000人を超えているそうだ。

本市にも類似施設の「市民活動サポートセンター」はあるが、この施設の運営と比べると物足りなさはある。

 市民活動支援でも、この施設はNPO設立や地域団体の設立の方法、行政に対しての申請書(伝わらない申請書)の書き方等様々な支援活動をしている。このセンターの目的の1つに市民活動支援があるが活動支援前の設立支援、そして設立後もその団体を支援、育てるために「組織を育てるコツ」や「人が集まる講座・イベントのタイトルの作り方」等を伝授している。ここまで支援している地域サポートセンターは他都市でも無いのではないか。このような活動は、このセンターが想いを持って運営しているところに理由がある。その思いとは

1)「自分の部屋の次に、居心地の良い場所」と言われたい。

2)「ノ―」や「分かりません」とは言わない。

3)願いを叶える

4)進化する

5)人がいる

である。

 特に2の「ノ―」や「分かりません」とは言わない、という想いには素晴らしいと思う。一例では、施設の利用時間外でも市民の方の要求であればそれに対応していると言う。市民も様々で時には理不尽な要求もあると思うが、そういった事1つ1つに対応している事には感心する。

このような函館市地域交流まちづくりセンターを参考に本市の市民活動サポートセンターをもっと充実させていかなければならないと思う。

また、被災地からの避難住民を函館市が受け入れている事もあり、被災地の新聞を取り寄せ見られるようにしている。これは、一時的だが被災地の方々を函館市民として受け入れている事の対応だ。

移住サポートデスクも面白いと思った。年間約3,000人いる移住者と市民の交流、情報発信また移住者の支援の活動もここで行っている。

施設内には研修室・会議室・フリースペース、そして貸し事務ブースもあるが、利用料金は各安だ。約270㎡のフリースペース、1日10,000円、貸し事務ブース1区画4㎡で1カ月光熱費込3,000円は共に安い。営利目的ではないとはいえ維持費の面、そして税収不足を考えればもう少し高くしても良いのではないかと思う。情報発信ツールとしては年4回発行している「はこまち通信」がある。これも独自に作成しているそうだ。

この施設の目的は、市民の課題解決の場所と位置付けている事に多々学ぶところはあった。最後に、我々が視察した事をその日のうちにホームページ上で紹介している事にも、このセンター長の情報発信に力を入れているのを伺える。