ゴミ屋敷行政代執行!
8月28日(火)、いわゆる「ごみ屋敷」に対して行政代執行を行いました。「ごみ屋敷」に対する代執行は神奈川県内で初めての事です。
今回の案件に関して少し説明をしますと、3~4年前に当該者の自宅内にごみがたまり始めていると近隣住民から話が上がっていました。当時は屋内であったため状況はガラス越しでの視認でしかなく、どのくらいの量が堆積しているかの確認はできませんでした。日を増すごとにその量は増え、室内からベランダ、庭そして一部敷地外(私道)にまで堆積するようになりました。報道にも出てきましたが、その量は玄関や駐車している自分の車まで覆い隠すぐらいの量に増え続け、生ごみも混入していることから悪臭はもちろん、ネズミやハエなどの害虫も多数発生している事態になりました。
当時、行政としてこの状態を解決する手立ては当該者に対し適切な処理を「お願い」するしかなく、解決策はありませんでした。とは言え、近隣住民の願いは良好な生活環境であり、それを実現するには新しい「条例」を制定するしかなく、議員提案で制定に至りました。
「ゴミ屋敷対策検討協議会」を立ち上げ、協議会メンバーと議論に議論を重ね、行政との意見交換、そして有識者として関東学院大学法学部の教授からの助言をいただきながら進めていきました。協議会の中で一貫していたことは「この条例は福祉を主」としたものにする、でした。ごみを片付けるが主であると、根本的な解決にはならず再発が考えられるからだ。条例の(目的)が「不良な生活環境の解消及び発生の防止および再発防止」としているのは、この考えがあるからです。また、協議会の中で今回のような「代執行」を入れるか入れないかでは議論が白熱しましたが、近隣住民の生活環境を守ることを考えれば「代執行」を明記することは止む無しとなり、この条例は全議員が賛同して制定されることになりました。
本年4月1日に施行され8月28日に代執行となり、少し早いのではとの意見がありましたが、条例が施行する以前から行政は何十回と当該者と接触し「お願い」をし続け、近隣住民の共有部分の堆積物を何回も何回も回収しており、「早い」ということには至らないと思います。代執行当日の反響はものすごく、私自身も現場に立ち会っていましたが、在京テレビ局全てのカメラが集まり、当日の朝、昼、夜、そして翌朝のニュースで報道され、横須賀のごみ屋敷は全国に発信されました。
この「ごみ屋敷」問題は代執行で解決にはなりません。これからが根気のいるところで、「福祉的対策」、当該者のケアが必要になります。